日本臨床免疫学会会誌
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一般演題(ポスター) 1 膠原病の病因と治療1
P1-19 抗リン脂質抗体症候群における末梢血リンパ球サブセット解析および抗体産生機序の解明
久田 諒加藤 将菅原 恵理藤枝 雄一郎奥 健志坊垣 暁之Olga Amengual保田 晋助渥美 達也
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2017 年 40 巻 4 号 p. 302c

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抄録

【背景/目的】抗リン脂質抗体症候群(APS)において抗リン脂質抗体(aPL)は病原性を有する自己抗体とされるが,その産生機序については不明な点が多い.今回,APS患者における末梢血リンパ球サブセットを行い,更に末梢血単核球細胞(PBMC)をex vivoの系で刺激しaPL産生能をもつ細胞の同定を試みるアプローチを行った.【方法】原発性抗リン脂質抗体症候群(PAPS)患者,全身性エリテマトーデス続発性抗リン脂質抗体症候群(SLE/APS)患者,健常者の3群について,リンパ球サブセット解析を行い比較した.次にCD20 microbeadsを用いてCD20陽性細胞を除去したAPS患者のPBMCを刺激・培養し,培養上清中のaPLをELISA法及びcell-based assayにより測定した.【結果】PAPS群18名,SLE/APS群8名,健常者群8名についてサブセット解析を行った.Pre-switched memory B cell(p = 0.030),post-switched memory B cell(p = 0.032)はPAPS群で健常者群と比べ有意に減少していた.また,一部のAPS患者のPBMC培養上清からaPL-IgG(ELISA),aPL-IgM(cell-based assay)が検出され,CD20陽性細胞を除去したPBMCの培養上清中からもaPL-IgG,aPL-IgMが検出された.【結論】PAPS患者においてpre-switched memory B cellとpost-switched memory B cellの減少が見られた.また,aPL産生にCD20陰性B細胞が寄与している可能性が示唆された.

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© 2017 日本臨床免疫学会
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