日本臨床免疫学会会誌
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原著
メトトレキサート(MTX)治療抵抗例におけるミゾリビン(MZB)併用療法の有効性と安全性の検討
鈴木 大介木本 理澤田 仁下山 久美子河島 昌典向井 知之大橋 弘幸山村 昌弘小川 法良
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2011 年 34 巻 3 号 p. 149-153

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抄録

  背景 ミゾリビンは抗リウマチ薬として用いられるプリンアナログである.我々はメトトレキサート(MTX)治療抵抗例におけるミゾリビン(MZB)併用療法の安全性と有効性を検討した.
  方法 米国リウマチ学会の関節リウマチ診断基準(1987年)を満たし,MTXの効果が不十分な31症例(男性9例,女性22例,平均年齢68±12歳)を対象とした.MTXに加えて,MZB一日150 mgを連日単回投与した.DAS28-CRPを投与前,投与後1, 3, 6, 12カ月で評価し,有害事象を記録した.
  結果 DAS28-CRPは投与前の4.4±1.0から3か月,6か月,12か月でそれぞれ3.1±1.3(p<0.01), 2.7±0.68(p<0.01), 2.4±1.4(p<0.01)と有意に改善した.17例(55%)でmoderate response以上の改善を認めた.有効例では投与前の腫脹関節数が無効例に比して有意に少なかった.DAS28-CRPは投与後一か月の時点で有効例(0.91±0.74)では無効例(0.18±0.66)に比べて有意(p<0.01)に改善していた.最終観察時点で,9例(29%)が寛解に至った.有害事象は4例に認められ,感染症が多かったが,重篤なものはなかった.
  結論 MTX治療抵抗例に対するMZB追加併用療法は有効で忍容性がある.

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© 2011 日本臨床免疫学会
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