2007 年 96 巻 11 号 p. 2470-2475
ペニシリン系,セフェム系抗菌薬を広く分解する酵素が基質拡張型β-ラクタマーゼ(extended-spectrum β-lactamases:ESBLs)である.特に大腸菌,肺炎桿菌,プロテウスなどの腸内細菌において,ESBLs産生菌が報告されている.ESBLs産生菌による感染症は,治療できる抗菌薬が非常に限られていること,さらにESBLs産生菌は施設内感染の原因となりうることから,治療と感染対策の両面にわたって,十分な認識と対策が必要である.現在その増加が指摘されており,今後も厳重な監視を行っていかなければならない.