2001 年 90 巻 7 号 p. 1330-1332
症例は55歳,男性.肝生検によりC型慢性活動性肝炎と診断され,インターフェロン(IFN)療法の適応と考え入院. IFN一αの投与開始後数日以内に紫斑が出現したが,投与中止後速やかに紫斑は消失した. IFN一βの投与でも全く同様の現象が見られた.経過中,血小板は常に10万以上を保っており,凝固系検査もほぼ正常範囲内であり,クリオグロブリンは陰性であった.紫斑部の皮膚生検を施行したところ,病理組織学的に血管炎の像を呈しており, IFNにより誘発された薬剤性紫斑病と診断した. IFNα及びβによる血管炎の報告は本邦で2例目であり,貴重な症例であると考えられる.