1988 年 77 巻 12 号 p. 1859-1862
症例は44才,男性. 37才より発熱を伴う腹痛発作を繰り返していた.発作時には著明な腹部膨隆と腹部単純X線写真上腸管内の著明なガス像を示した.消化管を中心に精査したが異常なく,開腹術を施行するも試験開腹に終った.周期熱の一種である家族性地中海熱を疑いレセルピンやコルヒチンを投与したところ発作が消失し,メタラミノール投与により発作が誘発され,この発作はコルヒチンにより抑制された.以上より,家族性地中海熱と診断した.診断にあたって,白血球数, CRPや血沈などの検査値は一定しなかったが,メタラミノール発作誘発試験が陽性で有用であった.