1987 年 76 巻 5 号 p. 740-741
症例は31才,女性. 3回の自然流産歴あり, 1984年9月,多関節炎,日光過敏症,血小板減少症,抗核抗体陽性の4項目よりsystemic lupus erythematosus (SLE)と診断された. 1985年9月突然Broca失語が生じ,脳梗塞と診断され,当科入院となった.血中よりlupus anticoagulant (LA)が証明された. LAが証明されるSLEでは血栓症を伴いやすく,本例における脳梗塞と習慣性流産の発症にはLAの存在が密接に関連していると思われた.