日本内科学会雑誌
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肝硬変におけるリンパ球adenosine deaminase (ADA)およびpurine nucleoside phosphorylase (PNP)活性の検討
山本 徹也森脇 優司広石 恵才高橋 澄夫安室 芳樹波田 寿一東野 一彌
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1987 年 76 巻 4 号 p. 497-500

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抄録

Adenosine deaminase (以下ADAと略す)およびpurine nucleoside phosphorylase (以下PNPと略す)はpurine分解に関与する酵素で特に免疫不全症候群の面から興味がもたれている.筆者らは肝硬変において,末梢血単核細胞(以下PBMCと略す)内ADAおよびPNP活性を測定したところ,コントロールと比較してPBMC-ADA活性は非アルコール性肝硬変で有意に低く,アルコール性肝硬変では有意に高かった.しかしPBMC-PNP活性に差は認めなかった. ADAはT cell機能と特に関連があるといわれており,このPBMC-ADA活性の差は非アルコール性肝硬変とアルコール性肝硬変におけるリンパ球機能の相違を示唆するものと思われた.

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