日本内科学会雑誌
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Metoclopramide-induced parkinsonismの4症例
内山 富士雄亀井 徹正福山 次郎明石 恒浩大田 人可
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1986 年 75 巻 4 号 p. 533-536

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抄録

1年間に経験した4例のmetoclopramide-induced parkinsonismを報告する.平均年令は73才,すべて女性.症状発現までの同薬内服量および期間はそれぞれ15~30mg, 2週間~12カ月であつた. parkinsonismの主要症状に加え, 3例に舌ジスキネジアを認めた.薬物中止により4例とも急速な改善をみたが, 2例では一部の症状が残存した.今回の症例で特記すべき点は, metoclopramide 15mg/日, 2週間の内服でparkinsonismが発現した点である.この症例が今回報告例中最高令であることを考え合わせると同薬は少量,短期間であつても高令者に対しては非常に慎重に投与されるべきであると思われる.また特発性Parkinson病患者への同薬使用についても注意を喚起したい.

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