分析化学
Print ISSN : 0525-1931
報文
熱分解ガスクロマトグラフィーによるノボラック/ヘキサメチレンテトラミン系硬化樹脂の橋架け構造の分析
野本 雅弘甲本 忠史山延 健
著者情報
ジャーナル フリー

2010 年 59 巻 11 号 p. 1013-1020

詳細
抄録

熱分解ガスクロマトグラフィー(PyGC)により,ノボラック/ヘキサメチレンテトラミン(HMTA)系硬化樹脂の橋架け構造の分析を検討した.メチレン結合のオルソ率(OR)と分子量が異なる種々のノボラック分別樹脂を試料に,熱分解温度670℃ で生成するフェノール及びメチルフェノール類の量をガスクロマトグラフで定量した.熱分解成分の組成と樹脂の構造に相関を見いだし,PyGCの結果からOR並びにメチレン/フェノールユニットのモル比(M/P)を算出する関係式を得た.本分析法によりハイオルソノボラック/HMTA系硬化樹脂及びランダムノボラック/HMTA系硬化樹脂を分析して,ハイオルソノボラックに比べてランダムノボラックはHMTAと効率良く反応することを示した.

著者関連情報
© The Japan Society for Analytical Chemistry 2010
前の記事 次の記事
feedback
Top