分析化学
Print ISSN : 0525-1931
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誘導結合プラズマ質量分析法による石油試料中の希土類元素の定量
竹田 久美子蟻川 芳子
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2005 年 54 巻 10 号 p. 939-943

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抄録

石油試料の前処理として酸素高圧燃焼法による分解,キレート樹脂による濃縮を行い,誘導結合プラズマ質量分析法(ICP-MS)による希土類元素の多元素同時分析法の確立を目指した.酸素高圧燃焼法による分解では,石油試料1.0 gを使用し,燃焼酸化物の吸収液として5% HNO3-1% H2O2水溶液5 mlを容器内にセットし,3 MPaまで酸素を圧入,燃焼させた.キレート樹脂を用いた濃縮では,上記吸収液をアンモニア水を用いてpH 4に調節し,キレート樹脂(Chelex 100)1.0 gを入れかくはんした.その後,キレート樹脂に吸着したイオンを2 mol/l HNO3で溶離し10 mlの測定溶液とし,ICP-MSによる測定を行った. 測定の際にScにはBe,Y~SmにはIn,Eu~LuにはReを内標準元素として用い,更にBa及び希土類元素の酸化物・水酸化物の生成率を求めて質量スペクトル干渉の補正を行った.本法により実試料数種について希土類元素の定量を行った.

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© The Japan Society for Analytical Chemistry 2005
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