分析化学
Print ISSN : 0525-1931
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エチル誘導体化/ガスクロマトグラフィー/質量分析法による生物試料中の有機スズ化合物の一斉分析
岩村 幸美門上 希和夫陣矢 大助棚田 京子
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2000 年 49 巻 7 号 p. 523-528

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抄録

生物試料中のブチルスズ及びフェニルスズのモノ,ジ及びトリ体をテトラエチルホウ酸ナトリウム(NaBEt4)を用いて誘導体化し,GC/MSにより定量する方法を開発した。ホモジナイズした試料に対象物質の重水素ラベル化体を添加し,1M臭化水素酸-メタノール/酢酸エチル(1:1)で抽出した。抽出液に飽和臭化ナトリウム溶液及び酢酸エチル/ヘキサン(3:2)を加えて再抽出後,脱水·濃縮し,残留物をエタノールに溶解して水,緩衝液及びNaBEt4溶液を加えて誘導体化した。これに1M水酸化カリウム-エタノールを添加し,室温で振り混ぜてアルカリ分解後,エチル化した有機スズ化合物をヘキサンで抽出し,フロリジルカラムクリーンアップを経てGC/MS-SIM(選択イオン検出法)で測定した。0.4~10μg/kgでの添加回収実験の結果は,回収率123%,RSD 12.5%であった。また,検出限界は0.13~6.6μg/kgであった。

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© 2000 The Japan Society for Analytical Chemistry
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