1991 年 40 巻 11 号 p. 779-784
Li+,Na+及びK +の水/ニトロベンゼン(w/NB)界面移動の15-クラウン-5誘導体(L)による促進効果をイオン移動ポーラログラフィーを用いて研究した.半波電位の金属イオン濃度依存性より,25℃,NB相中におけるML+錯体の安定度定数(βNB1/M-1)を算出した.得られたβNB1と,18-クラウン-6誘導体のβNB1,Lの分配定数,ML+のβw1などの報告値をもとに,w/NB系におけるML+の分配定数を求め,これら錯陽イオンの溶存状態を推定した.又,イオン移動過程M+(水相)+L(NB相)〓ML+(NB相)の平衡定数を求め,干渉イオンに対するNa+の電位選択係数を見積もった.