1984 年 33 巻 12 号 p. 647-652
254nmの紫外線吸光光度計を検出器とする高速液体クロマトグラフィーによる脂肪酸の迅速簡単な分析法を検討した.本法は油脂のけん化と誘導体(エステル)化を簡単な一連の方法で行った後クロマトグラフィーを行うものである.エステル化剤はフェナシルブロミド,p-ブロモフェナシルブロミド又は2-ナフタシルブロミドの3種をクロロホルムに溶解して用いた.エステルの生成はほぼ完全に行われ,生成エステルは暗所では安定であった.又定量性にも優れ反応液中の脂肪酸量として5nmol/mlから5μmol/mlの範囲で脂肪酸量とピーク面積との間に良好な直線関係が得られた.