2016 年 42 巻 p. 109-120
本研究は,住環境の維持・向上を住民主体のまちづくり活動の一環として進めるためには都市計画提案制度の活用が有効との観点に立ち,全国自治体へのアンケートおよび事例調査により,同制度を効果的に活用し得る条件を探ったものである。 その結果,住環境の悪化への懸念から地区計画等の都市計画提案への取組みを発意してから,提案を提出するまでのプロセスにおいて,一貫して主導的に行動する人材がいることと同時に,行政職員が制度説明,計画案作成や提案書作成等の作業補助などの支援を積極的に行うこと,さらには行政発意では難しい不整形な区域設定でも可とするなどの柔軟性を持つことが有効であることを明らかにした。