日本地域看護学会誌
Online ISSN : 2432-0803
Print ISSN : 1346-9657
原著
1歳6か月児健康診査に来所した親子への保健師の問診技術
大比叡 和子尾﨑 伊都子門間 晶子
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2023 年 26 巻 3 号 p. 4-12

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抄録

目的:本研究の目的は,1歳6か月児健康診査における保健師の問診技術を明らかにすることである.

方法:自治体に勤務する母子保健業務が経験豊富な保健師に対し,インタビューを行った.インタビュー内容は,問診での親子に対する着眼点や,問診を進める際の工夫点とした.分析は質的記述的方法を用いて行った.

結果:研究協力者は,自治体に勤務する9人の保健師とし,保健師経験年数の平均は23.0年(SD=6.5),このうち母子保健分野での経験年数の平均は19.8年(SD=5.4)であった.1歳6か月児健康診査に来所した親子への保健師の問診技術として【第一印象や問診票に記載されている内容から,さらに詳しく把握するべき情報に目星をつける】【母親の表情,口調から健康問題にどこまで深く立ち入るかを見極め,問診後の対応を方向づける】等,8個のカテゴリー,31個のサブカテゴリーが生成された.

考察:保健師の問診技術は,支援の始まりとなる関わりのきっかけをつくり助言を行うとともに,特に継続支援が必要な人には会話を通して母親の課題に対する気づきを促し,問診で立ち入るラインを見極め,個別保健指導を含む次の段階への方向づけをするものであった.

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© 2023 一般社団法人 日本地域看護学会
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