日本体育学会大会予稿集
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第67回(2016)
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一般研究発表(00) 体育哲学
00哲−26−口−09 「武」とは
「武」の字意及び、「武術」、「武芸」、「武道」の語意的検討
*劉 暢佐藤 皓也
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p. 80_3

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抄録

 世界のあらゆる「武芸」がグローバル化の今日において、実戦、競技、審美、健康向上などといった様々な姿をあらわしている。このような「武芸」に起きた変容をいかに捉えるのか、そして将来、中国武術そして日本武道を含む様々「武芸」はどのようなあり方を求められているのか。これらの問題に答えるには「武」という言葉の概念を明確に把握する必要がある。言葉は時の移り変わりと共に、その意味内容も変化してしまう。「武」の字の解釈は、儒家の古典である『春秋左氏伝』で初見する。そこで「武とは戈を止める」(止戈論)と解釈されていた。しかし、後に「武とは戈<武器>をもって、止<あし>で進む」(原意論)、という甲骨文や金文の原意に基づく言語学的批判があった。また、「武」に関わる言葉として、「中国武術」、「韓国武芸」、「日本武道」とよく耳にするが、「術」、「芸」、「道」の漢字がそれぞれ違うように、「武術」、「武芸」、「武道」にも微妙な意味合いの区別がある。本研究は「止戈論」と「原意論」踏まえた上での「武」の字意の再検討と「武技」、「武術」、「武道」、「武芸」の相違を明確にすることから論を展開していく。

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© 2016 一般社団法人 日本体育学会
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