化学と教育
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血液の仕組みと人工血液(血液代替物)へのアプローチ(ヘッドライン:生体適合材料)
武岡 真司岡村 陽介
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2008 年 56 巻 6 号 p. 260-263

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抄録

輸血療法は,救急救命の中で重要な位置を占めている。しかし,保存期間が短い献血血液に依存している現状では,世界最高水準を誇る輸血システムであっても,血液型不適合や感染のリスクをゼロにはできず,少子高齢化による献血不足の深刻化や大災害の時への備蓄や経済問題など,多くの問題を抱えている。血液の機能の一部を補充でき,安全な人工血液(血液代替物)が開発されれば,医療に対する貢献度は大きい。最先端の分子集合技術を用いて実用可能な血液代替物(ここでは,赤血球代替物,血小板代替物)が開発されつつある。

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© 2008 公益社団法人 日本化学会
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