アガロース水溶液のゾル/ゲル相転移における電子運動量の密度分布の変化をコンプトン散乱測定を用いて測定した。相転移が可逆的であることを利用して、ゾル状態とゲル状態の差、磁場で分子を配向させたゲルと無配向ゲルの差を特徴的な温度で測定し、差分コンプトンプロファイルから相転移による架橋密度の変化を捉えた。ゲル化によって低運動量の電子密度が低下し、磁場配向による運動量密度の差は加熱により消失した。含水量の多い有機物であるアガロースゲルの架橋構造の変化をコンプトン散乱測定によって評価できる可能性を示唆した。