2005 年 30 巻 102 号 p. 17-23
低温送風空調方式を適用した室内の温熱・空気環境の検討は、これまで実験や実測により多く行われているが、CFD解析による詳細な検討例は少ない。これは複雑な吹出口からの気流性状をCFD解析で再現するには膨大な計算時間が必要となることなどが理由として挙げられる。本研究では、高拡散型吹出口を対象にCFD解析におけるモデリングを検討する。まず、高拡散型吹出口を設置した実験室において非等温実験を行い、室内の気流・温度分布を測定する。次に、非構造格子系CFD解析(等温場)により吹出気流データを作成し、このデータを用いたP.V.法によりCFD解析を行い、比較的粗いメッシュ分割のCFD解析においても実験結果を再現できることを示す。