核医学
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ワーキンググループ報告
平成27年度 ワーキンググループ報告
123I 標識イメージング製剤による定量脳血流SPECT のための収集処理方法の標準化多施設評価と標準プロトコルによる123I-IMP 脳血流SPECT像および123I-イオフルパンによるドパミントランスポータSPECT を用いた標準データベースの構築
外山 宏宇野 正樹市原 隆乾 好貴太田 誠一朗石黒 雅伸伊藤 健吾加藤 克彦佐久間 肇岡沢 秀彦西堀 弘記大橋 一郎山崎 孝浩
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2017 年 54 巻 1 号 p. 603-607

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抄録

要旨:123I 標識脳血流SPECT による測定誤差や施設毎のばらつきを解消するための標準プロトコルの作成と統計学的脳画像解析のための正常人画像データベース(NDB)構築を目的とした.均一減弱補正(Chang 法)による測定値はCTAC 法に比べ20~30%の有意な過小評価を認めた.散乱線補正とCTAC 法を合わせて行う標準プロトコルにより多施設評価を脳および頭蓋骨ファントムを用いて行った.施設間でのSPECT 値のばらつきは10%程度であった.NDB の空間分解能を統一することでさらにばらつきを減少させると考えられた.標準プロトコルによるNDBの検証で,認知症患者での3D-SSP による解析では,頭頂側頭連合野など大脳皮質外側部は明瞭化する傾向になったが,後部帯状回など内側部は不明瞭化する傾向であった.内側部が不明瞭化する意義については今後検証が必要である.123I-イオフルパンSPECT では,脳線条体および頭蓋骨ファントムを用いて散乱線補正とCTAC 法を合わせて行う標準プロトコルでspecific binding ratio(SBR)の影響を検証した.散乱線補正なし,減弱補正なしよりも標準プロトコルによるSBR値の方が真の値に近い値を示した.

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© 2017 日本核医学会

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