초록

本稿では、宿木巻を中心に、物語が浮舟を登場させ、彼女を位置づけていく仕組みを、宇治における御堂と寝殿の造営に焦点を当てて論じ、最終的には「宿木」という表現が宇治十帖の終焉と関連付けられていることを明らかにしている。 物語は浮舟を登場させるために周到な準備を行っている。それは最初薫によって宇治の八の宮邸が御堂になることが仄めかされ、中の君の懐妊が明らかにされた時点で、八の宮邸の処置について曖昧な表現が用いられ、浮舟が住む寝殿の建築が可能になっていることから確認できる。また、浮舟には大君の「人形」であると同時に、「山里の本尊」としてのイメージが結び付いているが、それは「俗聖」である薫の相手であるがゆえに、こうした二重の役割が期待されていることを意味する。このことは、八の宮邸を御堂と寝殿にするという空間の問題とも繋がっているといえる。そして、他のものに寄生․着生する植物の総称である「宿木」という表現は、大君の面影を宿しているからこそ宇治に位置づけられる浮舟の姿を象徴している。 この「宿木」の語は、宇治十帖の他の巻にも確かめられる。それは薫と浮舟の関係に変化が見られる重要な時点に据えられているが、その最初の例が見い出されるのは東屋巻である。この巻において薫は、一年前に再建し始めた御堂と寝殿の完成と合わせて、浮舟を宇治につれていく。そこで、浮舟が大君のように薫と無常観を共有し得るような女性ではないことが判明される。これは、八の宮邸という同じ基点を持ちながらも、それが御堂と寝殿に分離されたことを顧みさせ、浮舟がその容貌においては大君と似通っているものの、決して薫の心を満たすような存在ではないことを明らかにしている。 最後に蜻蛉巻における用例を検討し、これが見い出される行文が薫の宇治への最後の訪問であり、宇治十帖の終焉であることを述べている。薫が唯一の心の拠り所である宇治を喪失したことは、彼こそ宇治に頼るほかない「宿木」のような存在であることを浮き彫りにしている。

키워드

宿木, 浮舟, 薫, 時間, 空間

참고문헌(11)open

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