초록

本稿では、「卍」で現れている同性愛から男女関係の心中へ至る経緯について考察してみた。「卍」は、光子の肉体を観音の像に重ねるところからはじまり、気高い観音を光子の肉体において求めたとき同性愛が展開される。しかし、綿貫という光子の婚約者の登場によって、嫉妬と猜疑に覆われて、その同性愛は壊れていく。光子は綿貫の登場によって妖婦的、悪魔的な強者になり、自分自身を崇拝するように造る創造者になる。昭和期の「卍」では同性愛から心中に至る美の世界の中で中性美を求めた綿貫は外され、その代わりに柿内が現れて、死」の美的なメカニズムに入る。柿内夫人と光子との心中狂言で先に目覚めた光子は柿内と肉体関係の男女関係になる。光子は柿内の前で再び強者として登場し、二人に薬を飲ませて夫婦を破戒していく。 光子だけが強者として振舞い、柿内は官能的な光子に魅了されて女神のように拝むのである。ところが、ある日、綿貫の同性愛の暴露で光子、柿内夫妻は心中に至るが、柿内夫人だけ生き残る。「卍」は 同性愛に加えて、男女入り混じっての愛欲という題材の特異性があり、光子は創造と破戒の神性を備えた女神として描かれている。この作品は表面上には光子と柿内夫人との同性愛であるが、その裏には性的不能者である綿貫の異様な嫉妬の物語が潜んでおり、最後にはいつも理性的であった柿内が登場することによって、光子と柿内の男女の物語つまり、真実の卍になるのである。さらに、心中によって光子をある観念的なものへ転化することを狙っていると言えよう。

키워드

同性愛, 心中, 嫉妬, マゾヒズム, ディズム, 崇拝, 男女関係

참고문헌(11)open

  1. [단행본] 伊藤整 / 1991 / 谷崎潤一郎の芸術と思想, In 群像日本の作家8谷崎潤一郎 / 小学館

  2. [단행본] 河野多恵子 / 1991 / 心理的マゾヒズムと関西, In 群像日本の作家8谷崎潤一郎 / 小学館

  3. [단행본] 佐藤春夫 / 1989 / 秋夕一夕話, In 佐藤春夫全集第1巻 / 講談社

  4. [단행본] ジョルジュ / 1973 / エロティシズム / 二見書房

  5. [단행본] 竹田青嗣 / 1985 / バタイユの〈死〉の乗り越え, In 現代思想の冒険 / 毎日新聞社

  6. [단행본] 谷崎潤一郎 / 1982 / 春琴抄, In 谷崎潤一郎全集 第13巻 / 中央公論

  7. [단행본] 谷崎潤一郎 / 1981 / 刺青, In 谷崎潤一郎全集第1巻 / 中央公論

  8. [단행본] 谷崎潤一郎 / 金色の死, In 谷崎潤一郎全集 第2巻 / 中央公論

  9. [단행본] 永栄啓伸 / 1992 / 谷崎潤一郎伏流する物語 / 双文社出版

  10. [학술지] 西荘保 / 1987 / 『卍』試論-」印度教による一つのアプローチ― / 日本の文学

  11. [단행본] 前田久徳 / 2000 / 谷崎潤一郎物語の生成 / 洋々社