理学療法科学
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原 著
高強度の前運動を挿入したτVO2とτDeoxyHb,VO2peak,ATとの関係
藤田 大輔西田 裕介
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2015 年 30 巻 3 号 p. 465-468

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抄録

〔目的〕高強度の前運動を挿入した際のτVO2とτDeoxyHb,VO2peak,ATの関係を明らかにすることを目的とした.〔対象〕健常成人男性9名とした.〔方法〕第1日目に最大下運動負荷試験を行い,VO2peakとATを測定した.第2-5日目に高強度の前運動を挿入した6分間の中等度一定負荷運動を行い,τVO2とτDeoxyHbを測定した.〔結果〕τVO2はτDeoxyHbと相関関係が認められたが,VO2peakとATとは相関が認められなかった.〔結語〕 本研究の結果より,τVO2は,VO2peakとATに関連していないことが明らかになった.また,高強度の前運動を挿入した際のτVO2は酸素利用能力を示すτDeoxyHbと関連していた.これらの結果より,高強度の前運動を挿入したτVO2は酸素供給能力から独立して酸素利用能力を示す指標となる可能性が示唆された.

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© 2015 by the Society of Physical Therapy Science
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