地球科学
Online ISSN : 2189-7212
Print ISSN : 0366-6611
原著論文
北海道石狩平野の沖積層の基底とMIS5e 期の堆積面
嵯峨山 積井島 行夫藤原 与志樹岡村 聡山田 悟郎宿田 浩司赤松 周平
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2017 年 71 巻 2 号 p. 43-61

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抄録

石狩平野下の上部更新統~完新統の層序や年代を明らかにするために,札幌市の新川地区のSB-1 とモエレ沼周辺のMB-4,MB-5 およびMB-11,小樽市樽川のISK-1 の5 本のボーリングコアについて火山灰,珪藻,花粉の分析を行った.約113 ka 降灰の洞爺火山灰はSB-1とMB-4 ,MB-5,ISK-1 で,約41 ka 噴出の支笏軽石流堆積物はMB-4,MB-5 およびMB-11 でそれぞれ確認された.分析結果に基づき,沖積層の基底標高やMIS 5e 期堆積物の堆積面を明らかにした.平野下には約120 ka の堆積物(もみじ台層相当層)により形成された堆積面が広がり,その上面をToya が覆う.更に,MIS 5d 期~最終氷期の堆積物が累重し,最終氷期極相期(約30 ~20 ka)以降に堆積した沖積層が石狩低地を形成していると推定される.

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© 2017 地学団体研究会
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