2006 年 30 巻 2 号 p. 135-144
高精細映像と電子黒板による遠隔授業システムを介し,大型実験装置:加速器の遠隔運転体験を目的とする高大連携遠隔授業を試行した.この体験志向的な遠隔授業を構想する上で,教材の工夫,小実験活動の導入,ファシリテータの派遣などの授業設計面と,授業を媒介する遠隔授業システム面の両者を相互補完的に工夫した.その結果,授業の成立を確認するとともに,運転体験に起因すると思われる学習成果もうかがわれた.しかし,遠隔地の大型実験装置を充分に実感できる段階にはないとともに,マルチチャンネルな遠隔授業システムの運用上の課題も確認された.