本研究の目的は, 日本人英語教師(J.E.T.)とネイティブ英語教師(N.E.T.)が, 大学生の英語ライティングを評価する時に, どのような違いがあるかを探ることである.13名のJ.E.T.と11名のN.E.T.が, 同じ4編のライティング・サンプルの分析的評価を行い, 各項目(内容・構成・語彙・言語使用・メカニクス)を1〜5点で採点した.ほぼすべての項目においてJ.E.T.がN.E.T.よりも高い点数をつけた.これはJ.E.T.が評価依頼の際に提示した英検の級から学生のレベルを推測して評価したのに対し, N.E.T.は英語圏の社会文化に基づき評価したためと考えられる.また, 両教師群の点数で最も相違が見られた項目は『構成』であり, 構成のとらえ方に相違があることが明らかになった.