1971 年 46 巻 12 号 p. 1169-1179,1153
ラット下垂体前葉の TSH 分泌に対する TRF と甲状腺ホルモン (T4) との相互関係について検討した.正常ラットでは一定量のT4による前処置は一定量の TRF 作用を抑制するが, TRF 量を増すとT4の抑制を突破して TS H放出を起す.即ちTRFとT4との問には容量依存的な negative interactionが存在する.甲状腺摘除ラットでは TRF 作用は発揮されず, 少量のT4補填により発揮される.更に大量のT4を補填すると, 再び抑制される.