摂食障害患者には,抗不安剤・抗うつ剤・催眠鎮静剤・抗精神病薬・躁状態治療剤などの向精神薬,その他消化器用薬など多種多様の薬剤が処方されることがある.今回,薬剤師の立場から薬剤指導をとおして小児摂食障害患児と関わり,「薬に対する不安」に注目し,摂食障害チーム医療の中での薬剤師の役割について検討した.この結果,(1)患児の話をよく聞き,薬に対する訴えを引き出し,(2)不安に寄り添い「一緒になって考えていきたい」という旨を伝え,(3)「いつでもそばに薬剤師がいる」ことを認識してもらい,「不安はあるけれども服用できる環境」を作っていくことが重要な役割であった,そして,これらの役割は,患児の自己表現力促進の意味でも摂食障害治療に寄与したと考える.