アレルギー
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原著
痒み評価に関するアトピー性皮膚炎痒みコンセンサス会議(AICOM)からの提案
江畑 俊哉大矢 幸弘大嶋 勇成安東 嗣修冨永 光俊片岡 葉子福井 宣規海老原 伸行長谷川 俊史小林 茂俊森澤 豊井上 徳浩成田 雅美金子 栄井川 健中原 剛士石氏 陽三岡田 峰陽藤井 正徳川崎 洋入江 浩之白鳥 美穂室田 浩之
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2024 年 73 巻 2 号 p. 171-179

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抄録

【背景・目的】アトピー性皮膚炎患者が最も困っている症状である痒みに着目した治療には適切な痒み評価が必要である.痒み治療や研究に精通した医師および研究者で構成されるアトピー性皮膚炎痒みコンセンサス会議において,痒み評価の課題および最適な痒み評価法を協議した.

【方法】2歳未満,2~6歳,7~14歳,15歳以上の年齢区分について,最適な痒み評価法のコンセンサス案を作成した.会議参加者の80%以上の同意をもってコンセンサスが得られたと定義した.

【結果】参加者20名(皮膚科医8名,小児科医7名,研究者5名)の投票の結果,同意率95%で現状の最適な痒み評価法のコンセンサスが得られた.また,乳幼児は主観評価が困難であるため,養育者が代わりに行う痒み評価のチェックリストを作成した.

【結語】患者本人による評価尺度を用いた痒みの主観評価あるいは乳幼児では養育者によるチェックリストを用いた評価と,医師による皮膚病変などの客観評価を組み合わせた評価が推奨される.今後,より客観的な痒み評価指標の確立が期待される.

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