日本呼吸ケア・リハビリテーション学会誌
Online ISSN : 2189-4760
Print ISSN : 1881-7319
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原著
修正MRCグレードとCATスコアとが乖離したCOPD症例の検討
中山 雅之坂東 政司関根 利江菊池 貴明黒崎 史朗澤田 哲郎中澤 晶子鈴木 恵理間藤 尚子山沢 英明伊東 紘一杉山 幸比古
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2013 年 23 巻 2 号 p. 214-217

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抄録

GOLD 2011のカテゴリー分類では,気流閉塞と増悪頻度,症状(修正MRC[mMRC]質問票あるいはCAT)を用いてCOPDを4群に分類し,多面的に評価することが求められている.症状の評価では,mMRCグレード0-1またはCATスコア≦9がLess symptoms群,mMRCグレード≧2またはCATスコア≧10がMore symptoms群に分類される.しかし実地診療では,mMRCグレードが0-1であるにもかかわらずCATスコアが≧10となり,両スコアが乖離する症例をしばしば経験する.今回著者らは,それらが乖離を認めたCOPD症例の臨床的特徴を明らかにすることを目的とした.mMRCグレード≦1かつCATスコア≧10をDis(discrepancy)群として,mMRCグレード≦1かつCATスコア≦9のL群,mMRCグレード≧2かつCATスコア≧10のM群との比較検討を行った.Dis群は全体の約30%にみられ,咳嗽・喀痰の症状が強く,%FEV1はL群とM群の中間に位置し,BMI,過去の増悪頻度,運動耐容能はM群よりL群に近い特徴を示した.

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© 2013 一般社団法人日本呼吸ケア・リハビリテーション学会
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