2006 年 20 巻 p. 80-86
東北大学生活協同組合のパソコン講座事業では,東北大学との共同研究により2004年度から著作権,電子商取引,プライバシー,サイバー犯罪などに関する情報倫理教育を開始した(本誌17号にて既報)。本年度は,(1)受講生による主体的な問題認識(2)ディベートによる多面的理解の増進(3)教える学生(グループ・アドバイザ,GA)自身の学びと次世代への知の継承(4)継続的なフォローアップ,という4つの目標を立て,(1)講義(2)事例の掲示(3)ディベート(4)講評(5)総合サポートデスクにおける架空請求などの問題(インシデント)への対応,という5段階からなるティーチングプランを作成し,2005年5月から6月にかけて294人の新入生に対して実施した。結果として,教員からの一方的な講義だけではなく,受講生が主体的に関与し,討論できるようになり,指導したGA自身も成長し,セキュリティ,インシデントについてもある程度の対応ができるようになった。