2009 年 29 巻 6 号 p. 265-272
医師事務作業補助者が実施している業務の把握と,電子カルテ等の実装状況による同職種の業務の傾向を明らかにするため,全国の医師事務作業補助体制加算届出病院を対象に質問紙調査を行った.1164病院に調査票を送付し,有効回答のあった445施設を分析対象とした(有効回答率38.2%).
医師事務作業補助者の業務としては,保険会社様式の診断書の作成が362施設(81.3%)で行われているなど,診断書に関連する業務が多かった.その一方,内線電話の対応や文書・電子メールの物的整理のような秘書的業務を行っている施設も半数近くにのぼった.
電子カルテ等の代行入力や記載代行については外来検査については166施設(37.3%)で行われていたが,それ以外の実施率は30%に満たなかった.但し,外来診療録,外来検査,外来処置および入院処置の4種類については,電子カルテ導入病院の方が,未導入の病院よりも積極的に代行入力を行っていた.