2003 年 113 巻 9 号 p. 1407-1413
47歳,女性の下肢に生じたWells症候群の一例を報告した.病変は両側下肢の蜂巣織炎ではじまり,その後硬性浮腫・紅斑・水疱・紫斑が観察された.組織学的に真皮中~下層にかけて好酸球の著明な浸潤と,いわゆるflame figureが観察された.本症の病態に好酸球の活性化が関与することが推察されており,好酸球上の接着分子とケモカイン受容体の発現を検索したところ,好酸球表面上に発現しているCR3,LFA-1,IL-2Rの発現と病勢の推移との間に密接な関連があることが示唆された.