日常物体画像を用いた変化検出課題における難易度調整手法

榎堀 優
檜作 孟志
間瀬 健二

誌名
電子情報通信学会論文誌 D      No.3    pp.111-119
発行日: 2020/03/01
早期公開日: 2019/11/20
Online ISSN: 1881-0225
DOI: 10.14923/transinfj.2019HAP0009
論文種別: 特集論文 (ヒューマンコミュニケーション論文特集)
専門分野: ヒューマンコミュニケーション基礎
キーワード: 
難易度調整,  変化検出課題,  日常物体画像,  認知機能トレーニング,  ロジスティック回帰モデル,  

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あらまし: 
認知症予防や認知機能の維持・改善のための認知トレーニングにおけるモチベーションを維持した効果的な訓練の実現に向け,本研究では,日常物体画像を用いるように拡張した変化検出課題における難易度調整手法を提案する.10名の被験者(性別: 男,年齢: 23-24,SD: 0.49)による実験にて,物体の配置方法,変化前後の見えの変化度,回転量が難易度調整要素となるかを検討し,期待正答率との関係式をロジスティック回帰モデルで構築した.最良モデル探索から,物体配置と変化前後の見えの変化度を説明変数としたモデルが最適との結論を得た.最良モデルの評価を,10名の被験者(性別: 男,年齢: 19-24,SD: 1.52)による実験で評価した結果,低・中,低・高の難易度の実正答率に有意差があり,提案手法による段階的な難易度調整が成されたことが示された.加えて,同じ難易度の組合わせに対して,NASA-TLXのWWLでも有意差があり,主観的認知負荷の観点から見ても,低・中難度において段階的な難易度調整が成されたことが示唆された.