乾燥地域に位置する埋立地での廃棄物の乾燥過程についてカラム実験と数値計算から検討を行った。具体的な目的は、蒸発が卓越するような条件下で、埋立層内部にまで乾燥が進行するかを確認することである。4種の模擬廃棄物を用いて乾燥実験を行った。対照として用いた砂は、内部の乾燥が進行しなかった。これは、表面の乾燥が不飽和透水係数の急激な低下を引き起こし液状水移動が困難になること、さらに深部は内部蒸発が起こり難い状態のためである。一方、内部にも粗大な空隙が多い廃棄物層では、深部においても伝達した熱により内部蒸発が起こり、乾燥が進行した。液状水移動を排除し、内部蒸発のみを考慮した連成モデルは実験結果を概ね再現出来た。本結果は、乾燥地域の埋立地では、乾燥により安定化が抑制されることを示唆するものである。