日本地理学会発表要旨集
2016年度日本地理学会秋季学術大会
セッションID: 603
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発表要旨
客観的記録のための2016年熊本地震による被害特徴と背景の検討
*黒木 貴一磯 望出口 将夫黒田 圭介
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キーワード: 2016年熊本地震, 被害, 地形, 記録
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抄録

2016年熊本地震では,熊本市をはじめ益城町,御船町,南阿蘇町,西原村など,布田川断層や日奈久断層近傍で住宅やインフラなど地物に甚大な被害が出た。この被害の背景として,斜面崩壊,液状化,地震断層,人工改変,地震動のあることが報道され,各学会で調査が現在進められている。いずれも,被害と背景を一意に関連付けしやすい場所での調査結果が,ホームページを通じて出されている。一方で,地震断層起源の斜面崩壊,地震動による液状化,人工改変地での斜面崩壊と,被害と背景との一意の関連付けが難しい地域も多い。本発表では,熊本平野全体の被害背景にある地形変状を中心に紹介する。さらに液状化が見られ,地震断層が若干確認されるが他の要因からの亀裂も多く見られ,そして地物被害の多かった益城町を例に,地形変状と建物被害との関係を観察した内容を紹介し,今後の熊本地震災害調査の方向性を示す。

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