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太平洋プレートの中でも、小笠原海溝南部からマリアナ海溝にかけて地球上最も古い海洋プレートが沈み込んでいる。無数の海山があり、そのうち比較的規模の大きな海山やギヨーについて中期白亜紀の形成年代が知られているが、プレート最古部の北端に位置する南鳥島周辺海域から小海丘群が発見された。このような地形は、プチスポット海丘群や、ホットスポット火山の再生期海底単成火山群の地形に類似する。本研究では、これらの成因を解明するために得られた岩石の化学組成と年代から成因を議論する。溶岩は深海軟泥の被覆がほぼ無い若い火山であった。Na量が高いこのアルカリ玄武岩は捕獲結晶を含有し、著しく発泡している点や化学成分比の特徴がプチスポット溶岩に一致する。分離ジルコン粒子のU?Pb年代により非常に若い噴出年代が得られ、本海域周辺のアセノスフェアの低部分溶融メルトがリソスフェアの亀裂に沿って上昇してきたと考えられる。