太陽系進化のモデルを構築する上で、物質科学的に最も劇的な変化があったとされる初期太陽系の年代学を研究するということは重要である。その中でも太陽系で最初に凝固したといわれるCAIは太陽系で最も古い年代を示す物質として注目されている。本研究では、2つの短寿命核種系、10Be-10B系と26Al-26Mg系を利用し、COコンドライト中のCAIメリライトの年代測定を行った。また、COコンドライトの構成要素は極めて微細なため、NanoSIMSを用いることで分析を実現した。
本研究の結果からBe-B年代法は新たな年代学的トレーサーとなりうる可能性が示された。しかし、Be-B年代法にはAl-Mg年代法に比べ実験上での問題を有しており、それに対する課題、解決案を考察する予定である。