日本植物生理学会年会およびシンポジウム 講演要旨集
第49回日本植物生理学会年会講演要旨集
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ルシフェラーゼ融合タンパク質を用いたシロイヌナズナAux/IAAタンパク質の安定性の研究
*清水 久代佐藤 壮一郎綿引 雅昭山本 興太朗
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p. 0671

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抄録

最近オーキシン受容体が明らかになり、オーキシン応答の初発反応は同受容体によるAux/IAAタンパク質の分解促進であると考えられている。このことを具体的な生理反応で明らかにする第一歩として、ルシフェラーゼ(LUC)を融合させたIAA17/AXR3やIAA19/MSG2タンパク質を35Sプロモーターを用いて強制発現する形質転換体をシロイヌナズナで作製し、これら融合タンパク質の安定性を測定することを試みた。これら形質転換体を暗所で4-5日間生育し、ルミノメーターを用いてLUCの発光量を計測した。発光量計測時にシクロヘキシミドを投与すると発光量が急速に減衰するので、その経時変化よりそれぞれのタンパク質の半減期を調べた。Aux/IAAタンパク質に融合させないLUC単独タンパク質を発現させた場合は、発光量の半減期は1時間以上であった。それに対して、IAA17タンパク質を融合させたものは約10分、IAA19を融合させたものは約15分の半減期を示し、Aux/IAAタンパク質と融合することでLUCが生体内で分解されやすくなっていることがわかった。IAA17融合タンパク質の半減期が10分程度であることは既に報告されているが(Dreher et al., 2006)、IAA19もIAA17同様、10分程度の半減期を示したことから、IAA19も一般的なAux/IAAタンパク質であることが示唆された。

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© 2008 日本植物生理学会
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