日本植物生理学会年会およびシンポジウム 講演要旨集
第46回日本植物生理学会年会講演要旨集
会議情報

花粉管伸長におけるカルモジュリンドメインプロテインカイネース(CDPK)のダイナミックな振る舞いとカルシウムシグナリング
*綿引 雅昭Anthony J. TrewavasRichard M. Parton
著者情報
会議録・要旨集 フリー

p. 017

詳細
抄録

花粉管の伸長は一様ではなく速くなったり遅くなったりし(成長振動、タバコ花粉管の場合45秒)、それとともに先端部のカルシウム濃度が変化すること(カルシウム振動)が近年知られるようになった。われわれはカルシウムリポータータンパク質、Cameleonをタバコとユリ花粉管で発現させることでカルシウム振動をイメージングすることに成功し、成長振動との相関を確認した(Watahiki et al., 2004)。そこでカルシウム振動がどのような分子を介して花粉管の成長を制御しているのかを解明するため、花粉管で発現するカルシウム依存性プロテインキナーゼ(CDPK又はCPK)をNicotiana plumbaginifoliaから単離同定した。NpCPK17cDNAとCFPの融合タンパク質を花粉管で発現させたところ先端部の細胞膜とvesicle cloudsに局在することが蛍光観察で判った。さらにNpCPK17-CFPの先端部での局在が成長振動と連動して変化する様子も観察された。これらの知見はカルシウムを介したタンパク質リン酸化と先端成長のフィードバック制御の可能性を示唆する。

著者関連情報
© 2005 日本植物生理学会
前の記事 次の記事
feedback
Top