日本鉱物科学会年会講演要旨集
日本鉱物科学会 2016年年会
セッションID: S2-P05
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S2:岩石─水相互作用
アンチゴライト蛇紋岩化に伴う酸化還元状態の変化 -四国中央部東赤石岩体の例-
*曽田 祐介横山 寛紀水上 知行森下 知晃
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抄録

ウェッジマントル-沈み込む海洋プレート境界部に形成される,アンチゴライト蛇紋岩について,四国中央部の東赤石岩体のものを例として,岩石学的解析を行った.アンチゴライトの化学組成とクロムスピネルの変質には,(1)Al-Crに富むアンチゴライトとCrに富みFe3+に乏しい変質クロムスピネルの形成,(2)片状構造をつくる比較的ピュアなアンチゴライトと磁鉄鉱に近い変質クロムスピネルの形成の2つの段階に分けることができる.硫化鉱物組は,(1)から(2)になる過程で,ペントランド鉱が酸化によって分解している.磁鉄鉱は,(1)の段階では形成されておらず,このときの還元的な状態は,低温型蛇紋石で言われるような蛇紋岩化時の還元流体の痕跡ではなく,もともとのかんらん岩の還元状態である.

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