高分子論文集
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廃植物油からのポリウレタンフォームの調製
中村 邦雄西村 優子
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1993 年 50 巻 11 号 p. 881-886

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抄録

資源有効利用の見地から, 廃油を用いてポリウレタン (PU) フォームの調製を試みた. 廃油は老化の進行とともに酸価が増加し, 遊離脂肪酸の量が増加すること, および二重結合の開裂による高分子量化が生じることが明らかとなった. したがって老化の進行した廃油ほどPUのポリオールとして適するようになり, PUフォームはポリプロピレングリコール (PPG, Mw=400) およびジフェニルメタンジイソシアナート (MDI) を用いて容易に調製できることがわかった. 調製したPUフxォームの強度は廃油の酸価およびMDI量の増加とともに増加することがわかった. またガラス転移温度 (Tg) は廃油量酸価及びMDI量の増加とともに増加することがわかった. これらのことから廃油がPU中で三次元化を促進すること, また高分子化による絡み合いの効果を増加することが明らかとなった.

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