日本薬理学雑誌
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新しいタイプのヒスタミンH2受容体拮抗薬FRG-8813の実験的慢性潰瘍モデルに対する効果
山浦 哲明柴田 昌裕千田 有里子稲葉 二朗小野寺 禎良大西 治夫
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1992 年 99 巻 6 号 p. 411-420

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抄録

新しいタイプのヒスタミンH2受容体拮抗薬FRG-8813の抗潰瘍作用を慢性潰瘍モデルを用いて検討した.酢酸胃および十二指腸潰瘍モデルにおいてFRG・8813(0.3~3mg/kg,p.o.)は,7アモチジン(1mg/kg)およびシメチジン(30mg/kg)よりも潰蕩の治癒を促進する傾向を示した.胃粘液保持作用はFRG-8813投与群において強い傾向がみられた,W/Wvマウスにおいて自然発症した胃潰瘍の遷延をFRG-8813は,シメチジンよりも強く抑制する傾向を示した.FRG-8813の有効量は,ファモチジンおよびシメチジンと異なり胃酸分泌抑制用量以下であった事から,防御因子系の作用が相乗効果を発揮した可能性が示唆された.

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