日本薬理学雑誌
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創薬シリーズ(7)オープンイノベーション(4)(5)
調査研究:創薬におけるオープンイノベーションの価値
内林 直人
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2013 年 142 巻 1 号 p. 32-38

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抄録

創薬のアイデアや研究のシーズは,臨床検体や化合物ライブラリー等の実質的資源と同様に重要な研究資源である.未だアカデミアやバイオベンチャーに眠っているアイデアやシードを如何に有効活用して,製薬企業で枯渇している創薬の種として育成させ製品化するかが,克服すべき現在の課題である.筆者らは,課題解決の主力となる新しい連携手法「オープンイノベーション」に焦点を当て,産学官が取り組んでいる事業や政策につき,企業や公的機関の代表者と意見交換を実施して調査研究を行った.創薬のスピードと高い質を獲得するには,自社完結主義ではなくオープンイノベーションを浸透させること,産学官連携のネットワークを拡大すること,創薬の情報を積極的に公開すること,外部情報に対する目利きコーディネーターを育成し活用すること,ベンチャー企業の設立と育成を支援すること,等が重要である.

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© 2013 公益社団法人 日本薬理学会
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