2016 年 42 巻 2 号 p. 42-47
藻類に含まれる脂質の濃縮分離を目的として作製した蒸留装置を用いて,モデル溶液からの蒸留実験を実施した.蒸留実験ではモデル溶質であるスクワランおよびトリオレインと溶媒であるヘキサンが良好に分離できることが確認された.レイリー式に基づき,各成分の純成分蒸気圧推算式と活量係数推算式であるmodified UNIFACを用いて計算したところ,蒸留条件の最適化のための残留曲線を得ることができた.バイオ燃料獲得に向けた精製過程の最適化には溶媒をどれだけ回収するべきか,また加熱に要するエネルギー,真空ポンプのエネルギーバランスを検討する必要があると判明した.