化学工学論文集
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安全,環境,エネルギー
排ガス中ダイオキシン類除去に用いた活性炭の再生
古林 通孝浜野 修史長井 健一
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2002 年 28 巻 6 号 p. 718-725

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抄録

排ガス中のダイオキシン類除去に使用した活性炭の再生・再利用を検討する目的で,活性炭を排ガスに曝した後に窒素雰囲気下で加熱処理する操作を繰り返して,そのときの吸着物質の挙動と加熱処理後の活性炭の吸着除去性能について調べた.
400°Cの加熱処理により活性炭中のダイオキシン類は気相側に脱離せずに活性炭中で分解し,排ガス曝し—加熱処理を繰り返しても活性炭中に蓄積しない.クロロベンゼンやクロロフェノールも同様の挙動を示す.硫黄は排ガス曝し—加熱処理を重ねても活性炭中に蓄積しないが,水銀は若干ながら蓄積する傾向にある.塩素にはこの蓄積傾向がより顕著に現れる.また活性炭のダイオキシン類と硫黄に対する吸着除去性能は加熱処理を繰り返しても低下しないが,水銀と塩素に対する吸着除去性能は加熱処理での蓄積量が増えるに従い,低下する傾向にある.
排ガス処理に用いた活性炭を再びダイオキシン類吸着剤として使用するために,窒素雰囲気下で400°Cに加熱する条件は有効である.

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© 2002 公益社団法人 化学工学会
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