2002 年 28 巻 6 号 p. 680-685
近年のコンピュータの演算能力向上により,k-ε 2方程式モデルよりも高精度な乱流モデルであるLarge Eddy Simulation(LES)の,乱流拡散火炎数値解析への適用が積極的に行われつつある.その際,LESにおいて現れる唯一の定数を動的に計算するDynamic SGS modelを用いることにより,普遍性向上が期待される.本研究では,燃焼器内部におけるメタン-空気乱流拡散火炎の数値解析を行い,実験結果と解析結果を比較することにより,Dynamic SGS modelの有効性について検討を行った.その結果,温度分布及びCH4濃度分布については良好な一致が見られたが,CO濃度分布については,反応機構に由来する差異が見られた.今後は,反応機構を含めた,LESに適応する燃焼モデルの開発が期待される.