教育学研究
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特集:新しい教育学の模索と挑戦
大学教育の質保証に対する教員の「抵抗」の合理性
医学部医学科アセスメントテスト「臨床実習前OSCE」における発達観の非共有をもとに
元濱 奈穂子
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2022 年 89 巻 2 号 p. 207-219

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抄録

 本稿は、大学教育の質保証において「抵抗」とカテゴライズされてきた教員の行為が生じる要因を、医学部医学科のアセスメントテスト「臨床実習前OSCE」を事例として検討した。フィールドワークからは、臨床実習前OSCEが定義する能力の必然性を説明する論理として機能していた「段階的発達観」がこの制度の支持と「抵抗」をわける論点となっており、この発達観の非共有が多くの教員の「抵抗」につながっていることが示唆された。

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© 2022 一般社団法人日本教育学会
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