1993年北海道南西沖地震の際, 函館港の北埠頭の埋立地盤において著しい液状化が発生し, そこに立つ杭基礎構造物が沈下傾斜する被害を受けた. 構造物の沈下傾斜は杭の重度の破損によるものであった. 地震の際, 構造物のある施設では4名が労働中であり, 地震直後にヒヤリング調査と地震時行動調査を行うとともに, 地震時の行動を再現することによって被害の進展過程の時刻歴を明らかにした. また, 近傍の地震観測記録や当該地点の地震応答解析によって得られた地盤の地震応答の時刻歴と被害進展過程の時刻歴を比較することによって地震時地盤応答と被害の進展を対応つけることができた.