主催: 社団法人 石油学会
バイオマス利用ためのセルロース分解方法として、硫酸を触媒として用いた酸加水分解による方法が代表的であるが、反応容器の腐食、廃触媒処理など問題も多く、新規触媒系の開発が望まれている。本研究ではセルロース分解反応のための触媒設計における基礎的知見を得るため、ヘテロポリ酸を中心としたセルロースおよび二糖であるセロビオース加水分解における構造活性相関を調べた。ヘテロポリ酸触媒はTurnover numberで硫酸を上回り、金属イオン交換により、活性がさらに向上した。金属カチオンのLewis酸としての役割が示唆された。また、種々の均一酸における活性は脱プロトン化エンタルピーと相関が見られ、共役塩基の役割が示唆された。